暖かい色は脳に訴える

「遠赤外線暖房」と書かれた電気ストーブをよく見かけます。
そして、ディスプレイされているストーブは赤々と暖かく輝いていますね。
見ているだけで、暖まりそうです。

あれ?「赤外線」は赤い色でしょうか?

それは違うよね。赤外線は目に見える光ではありません。
見える光、つまり可視光線とは、光が波のように伝わる性質を持っていて、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の順に波長が長くなります。
そこで、目に見える紫よりもさらに波長の短い光=紫外線、赤よりもさらに波長が長い光=赤外線は目に見えないわけです。
さらに、その赤に波長が近い、近赤外線、より遠い、遠赤外線と分類されています。
だから、当然見えませんね。
話が長くなりましたが、つまり、本来このストーブの発する遠赤外線は赤色ではありません。
私たちは「火」が燃える、あるいは昇ったり、沈んだりする「陽」から暖かい=赤色というように脳内でセットされているのでしょう。
「空気」を暖めるエアコンと違って、遠赤外線ヒーターは熱源から出た電磁波が物質に直接届いて温度を上げる「放射」という方法を利用しているそうです。
食品、木材、繊維、プラスチックなど物多くの物質は2.5~30マイクロメートルの波長域の電磁波をよく吸収する性質があります。
じゃあ、人に対しては?
人体の約60%を構成する水分に遠赤外線が吸収され、分子の振動を活発にして温度を上げます。
皮膚の表面から約0.2ミリの深さまで吸収されて熱に変わり、その熱が血液などに乗って全身に運ばれます。
だから、からだがぽかぽかするのですね。
実際には「赤い」つまり「暖かく」感じる色は、この人体の水分を暖めるというメカニズムのどこにも出てはきません。
しかし、私たちの脳は色→あか→暖かいと感じられるようにセットされています。
なぜだろうかなどと、ストーブひとつとっても理系的(暖めるメカニズム)にも文系的(言葉から暖かいと感じるシステム)にもアプローチできますね。
そう、「考えてみる」対象は何でもいいのです。
科学者も文学者も日常の何気ないことに、少しひっかかることができる能力の持ち主です。

12月

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