鼻がつまると、味がしない ~有機的つながりということ

春の初め、スギに反応し、次にヒノキに反応し、さらに秋にはブタクサにもと、花粉症に苦しめられている人も多いと思います。

鼻水で鼻がつまると何だか味がしないってことありますよね。

花粉症じゃないから、そんな経験はないという人。じゃあ、試しに鼻をつまんでオレンジジュースを飲んでみて下さい。
どう?
すぐにオレンジジュースだとはわからないはずです。人間は舌で味を感じるのと同時に、鼻からの香りも感じてはじめて味を認識しています。舌で感じられる味の種類は、「甘い」・「酸っぱい」・「苦い」・「
しょっぱい」・「うま味」の五種類。そこに、微妙な「辛い」と「渋い」を加えてせいぜい七種類です。これだけでは、普段感じている何種類もの「味」は感じ分けられません。
「味」は口に入れると同時にのどの奥から鼻に香りが抜けて、その両方の情報で感じます。

一つのものだけからではなく、二つ以上のものが関わりあって全体をつくることを「有機的」と言います(認知科学では「シンボル」と呼びます)。
学力をつくりあげるときも、この「有機的」であることを意識するのが大切です。数学や理科だけ、社会や国語だけ、さらに英語に至るまで、それは単体としてあるのではなく、それぞれの教科をつらぬくのは、理解力・把握力・分析力・論理性など、全て日本語を使って形成されるものが土台となり、全てに関わっているはずです。
例えば「彼は本場の人の英語をなかなか聞き取れなかった」を英作しようとします。その時「なかなか~できない」という日本語を「簡単には~できない」と同じ意味だと把握し「easily」を使えるかどうかは「英語」というより「日本語」の力です。
よく言われる数学の文章問題も数学そのもののアプローチの前に、日本語としての問題の理解が必要ですよね。そのことを意識して中学生生活を送ると、高校生になって伸びていきます。