読書の秋 ~小説を読む ❝ 視点 ❞

前回に続いて読書📖のはなしです。

A お菓子を食べた。

B お菓子をいただいた。

AとBとは同じことを意味していますが、使う言葉が違うことで、この文章の情景が違ってくるはずです。

    A  B
お菓子 スナック菓子 ケーキ
誰と 友人と 目上の人と
どこで リビングで 応接間で

こんなに短い文、しかも違うのは「食べた」と「いただいた」のところだけなのに、AとBとはずいぶん違います。
小説を読むとき、我々は知らず知らずに、このように文字→情景を想い浮かべているのです。ここが、絵が既についているマンガやアニメと違うところ。使われている ❝ 言葉 ❞ から想像をして場面を自分の脳で描く。これが活字を読む楽しみであり、又、小説の問題を解く際のポイントにもなります。上等な小説は、文字だけで主人公の顔はおろか、音や匂いさえするものもあるのです。

例えば

「雨足が密林を白く染めながらすさまじい早さで麓から私を追ってきた。」

(川端康成「伊豆の踊子」)

密林+雨 ~ 緑くささと雨の湿気とがいっしょになった匂いがしますね。
すさまじい早さの雨足 ~ 夕立の強い雨音が聞こえるはずです。

このような小説を読む醍醐味を味わえるようになるには、ある程度の量を読まないといけません。幼いうちには、古典的=クラシカル(時代や場所を超えて広く人々に支持されるもの)なものを読むのがいいですね。特に今、声高に言われている「グローバルな人材」となるには世界文学も。
なぜなら、世界の人々と知識を共有する必要があるからね。
例えば

「人は努力しているうちは迷うに決まってる」

(ゲーテ「ファウスト」)

この有名な箴言は、一定レベルの外国人なら誰でも知っているのです。
テストの点を取ることだけに窮々としていると、このようなことは学べませんね。

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