~何もないところから「ぱっと」浮かぶのではありません~

君達が「ぱっと」答えがわくるとよく「天才」と言ってしまう場面に出くわします。
しかし、それは「天才」と呼ぶ状況ではありません。
何か問われて「ぱっと」答えが浮かぶといった種類の問題は、幼いころにはしばしばあることですが、
学年が上がっていくにつれて、そのような問題は少なくなります。
それが、たとえ英語や社会であったとしても。

知っている、あるいは学んだ知識を道具として身につけ、それをつかって複数の知識を道具として身につけ、
それを使って複数の知識を論理的に考えていくことが本来の考え方(ものを考える)です。
たとえそれが国語であっても。

「天才」と呼ばれる人たちは、おそろしいほどの勉強を重ねています。
「考える」道具としての知識をまず学びとり、
そこで自ら設定した問題意識を深めていき、
考えを組み立てていくのです。

「天才」といえばアインシュタインを想い浮かべると思いますが、
彼は、お手伝いさんに「おばかさん」と呼ばれる程、言葉を覚えるのが遅く、
そして学校の成績はずっと悪かったことも有名です。
しかし、だからといって、彼がずっと遊んでいて、なまけていて、ある日突然「相対性理論」をぱっと思いついたわけではありません。

彼は考え深かったので、
学校で求められている「ぱっと」答えを出すということが苦手でした。
しかし、興味のあることは一生懸命勉強しました。
5歳のとき、父親からもらった方位磁石の目に見えない力に興味をもち、ずっと考えていました。
そして数学をいつも解き、文学作品もずっと読んでいました。
しかし、就職にめぐまれず、スイスのパテント事務所で働きます。働きながら勉強をやりつづけ、1905年「相対性理論」を発表します。
天才だからふって沸いたようにぱっとひらめいたのではありません。ずっと勉強していたのです。
子供の頃、言葉の発達が遅く、劣等生と思われていた彼は文学作品も勉強し、その「相対性理論」は内容ばかりでなく、理科系の人達の論文のお手本のように書かれているのです。

「考える」ということの大切さは、皆さん十分に理解していることでしょう。
しかし、「考え続ける」という事の方が、実はとても大切で、小中時代にこそ、それを身につけなければならないのです。